生きていこう。それがいいんだ。
追いかけて来られても困るけど、
背中越しに声を上げてきただけだから、
そのまま遠慮せずに公園を出る。
「・・・・・。」
“楽しそう”とか“面白そう”とか、
そんな好奇心なんて無い。
“頼まれたから”
ただそれだけだったのに・・
ほんの少しだけ・・
アイツに同情して・・
ほんの少しだけ・・
・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・。」
スッと熱が下がった気がした。
スッと・・この感情が冷静に戻った。
もう・・全てが“作り話”に思えてきた。
結局アイツは私を適当な“暇つぶし相手”にして、
創作話を聞かせて、
乗り気になった私を見て愉しんでただけ。
こんなのは結婚詐欺と同じ。
する気もないくせに、煽るだけ煽って、最後の詰めはあり得ない理由をつけて逃げる。
「・・・・・。」
ホントに殺すつもりなんて無いんだったら・・・
あり得ない理由付けて“やっぱやーめた!”するんなら・・
もっとマシな“あり得ない理由”を付けてほしいんだけど・・!
「・・・なによ・・・・
死者が視える刑事って・・。」
思わず独り言が漏れながら、もう二度とあの公園には行かないと決めた。
第2章 完