生きていこう。それがいいんだ。


追いかけて来られても困るけど、
背中越しに声を上げてきただけだから、

そのまま遠慮せずに公園を出る。



「・・・・・。」


“楽しそう”とか“面白そう”とか、
そんな好奇心なんて無い。


“頼まれたから”
ただそれだけだったのに・・


ほんの少しだけ・・
アイツに同情して・・


ほんの少しだけ・・
・・・・・・・・・・



「・・・・・・・・・・・・・。」


スッと熱が下がった気がした。
スッと・・この感情が冷静に戻った。


もう・・全てが“作り話”に思えてきた。


結局アイツは私を適当な“暇つぶし相手”にして、

創作話を聞かせて、
乗り気になった私を見て愉しんでただけ。


こんなのは結婚詐欺と同じ。

する気もないくせに、煽るだけ煽って、最後の詰めはあり得ない理由をつけて逃げる。



「・・・・・。」


ホントに殺すつもりなんて無いんだったら・・・

あり得ない理由付けて“やっぱやーめた!”するんなら・・

もっとマシな“あり得ない理由”を付けてほしいんだけど・・!


「・・・なによ・・・・
死者が視える刑事って・・。」


思わず独り言が漏れながら、もう二度とあの公園には行かないと決めた。






第2章 完















< 30 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop