生きていこう。それがいいんだ。


「タケルはセイズ署の“被疑者検挙率100%”にビビってるんでしょ?」


「・・・・・・・・・・。」


「どんな方法を使ってるか知らないけど、セイズ署の刑事達は絶対に犯罪者に負けない。

だから、最後は“自分達が負ける”って思って行動に移せないんでしょ?」


「まぁ・・結局はそうだね。

しつこくて悪いけど、

俺は“死者と話が出来る刑事”が本当に実在してるからだと思ってるけど。」


「・・・・・・・・・・・。」


「とにかく、彼らの秘密が何であれ、
俺が負ける分には全然いいんだけど、

シズカを巻き込む以上、
敗北はしたくない。」



「やらせてよ。」


「え・・・・。」


「“別に捕まってもいい”って思ってたけど、

セイズ署の話聞いたら、
“捕まってたまるか”って思った。」


「・・・・・・・・。」


「負け知らずの刑事達の連勝記録、
私達が止めようよ?」


「シズカって・・
意外と負けん気強い子なんだね。」


「中卒の女は、19になった今でも中二病のままだから。」


「ハハッ。よし分かった。

俺も知恵を振り絞って、
【被害者自身をも騙す犯行】を考える。」



「・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・。」



「え・・なに?」


「安っぽいドラマにありがちな展開だったら、

バディ同士の目的が本当に一致したこのタイミングで、グータッチするでしょ?」


「・・・・俺が潔癖症なの忘れた?

シズカの手、何かばっちそうだからイヤなんだけど。」


「!!!!」


「わっ!怒るな怒るな!!」



一気に・・・“グー”を作って差し出した拳が恥ずかしくなったので、

母親以来に出した左ストレートを向けるけど・・

相変わらず逃げ足だけは速いのが余計にむかつく・・・。






第3章 完











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