生きていこう。それがいいんだ。
第4章
前編
第4章
「機嫌直してくれよ~。」
「・・・別に怒ってないし。」
「ハハッ。シズカと喋ってると、
なんだか妹を思い出すんだよなぁ。」
「・・妹さんも万引き女だったの?」
「ミホ。」
「・・・・・・・・・・。」
「嬉しい事があるとぴょんぴょん跳ね上がって、
悲しい事があるとこの世の終わりみたいに落ち込んで、
スゲー怒らせても、ケーキとハーゲンダッツですぐにまた機嫌良くなるクチだった。」
「一つも私と被ってる要素無いんだけど。」
「タイプは真逆だけど、感情が真っ直ぐに表情に出るところはシズカも一緒だよ。」
「・・・“ミホ”ってなんて書くの?」
「未来を歩む子。」
「可愛い名前だね。」
「“シズカ”は?」
「・・・・・・・・・・・。」
「・・あ・・ごめん。
自分の名前は嫌いだったね・・。」
「私の産声がうるさかったから、
あの女はこの名前にした。」
「え・・・・。」