生きていこう。それがいいんだ。


「“事件の関係者”として関わった人に、少なからず好意を寄せてしまう事って・・

やっぱり刑事としてあるまじき事ですよね・・?」


「それはつまり、被害者や目撃者や加害者やその他諸々・・として出会った人を、

好きになるという事ですか?」


「そうなりますね・・。」


「“あるまじき行為”とまでは言いませんが、多少の倫理には違反します。

被害者や目撃者だったらまだかろうじて許されるかもしれませんが、

その相手が犯罪者だったら大問題です。」


「やっぱりそうですよね・・。」


「いつの間にそのような経験をしたんですか?」


「正直、自分でもよく分かってません。

でも、冷静に振り返ると・・

“説明できない”、“よく分からない”気持ちだからこそ、

今まで自分の中に生まれてこなかった感情だったのかもしれないです・・。」


「失礼ですが、
それは“現在進行形”の話ですか?」


「いえ、ある意味“スタートラインに立つ前に終わった”話です。」


「それなら良いですが、

恋愛相談でしたら私より長くんの方が相談相手としては適任ですよ。」


「・・・いえ、ある意味豊川さんにしか相談出来ないかもしれません。」


「どういう事でしょうか?」


「その人の名前を言ってもいいですか?」


「はい。」





・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・




「・・・・星野君・・・・。」


「・・・・・・。」


「申し訳ございません。
ドン引きしました。」


「あ、やっぱりですか!?
ごめんなさい・・・・。」




























 


 


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