生きていこう。それがいいんだ。


「1秒でも1分でも10分でも。

シズカの記憶の中にあるお母さんとの思い出に、そうじゃない感情もあっ・・。」


「無いわよ!!!」


「・・・・・・・・・。」


「タケルの物差しで私を測らないでよ!!

あんた達が言う“普通”の価値観で、
私を見ないでよ!!」


「・・・・・・・・・・・・・。」



「外食に行ってお互いの料理をシェアするのが普通なの!?」



“おかあさんたべないの?”

“アタシは腹いっぱいだから全部食べな”



「二人で一食1,000円以上かけるのが普通なの!?」



“スープもいらないの?”

“しつけぇなぁ。いいから火傷すんなよ”



「・・・・・・スッ・・・・。」



“アハハうまいか?”

“うん!”



「・・・スッ・・・・・・
・・一杯の醤油ラーメンを・・

わだじが食べ終わるのを・・
嬉じぞうに見でぐれで・・

熱いがら一緒にフーフーじでぐれで・・

・・わだじが残じだスープを・・
一口だげ飲んで帰るのが異常なの!?」




「・・・良かった・・・。
やっと本音が出たね。」


「・・ウゥゥ・・スッ・・ヒック・・。」


「そりゃあさ、憎くてしょうがないかもしれないけど、

思い出したくもない嫌な記憶ばっかりかもしれないけど、

でも・・世界でたった一人しかいない母親なんだから。」


「・・スッ・・スッ・・・・。」


「その命が消えて無くなった夜ぐらい・・悪くない思い出を想って、

涙を流すのも悪くないんじゃない?」


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