生きていこう。それがいいんだ。
「長くん。他に何か、
遺体を見ての所見はありますか?」
「そうっすねぇ~・・・。」
「「・・・・・・・。」」
「・・・無いっす!!」
豊川さんと二人でズルッとなるほど・・天才鑑識官もお手上げな犯罪死体。
これはかなり難しくなりそうな予感と共に・・
勝敗の行方は豊川さんと僕の“力”によって左右されてくるかもしれない・・。
「テツさん。星野。
被害者の身元が判明した。」
関本主任が被害者の物と思われる財布を片手にやって来た。
「名前は立石カズマ 33歳。
住所はこのすぐ先になってるから、まぁ仕事からの帰り道に襲われたってところだな。」
「その財布の中身はどうでしたか?」
「福沢諭吉がたっぷりと。
だから物盗りの線は無いな。」
「となると怨恨・・・。」
「それでテツさん星野・・
被害者はどっかに居る?」
関本主任が僕達に向けて質問を投げかけると同時に、豊川さんと僕は同じ方向を向く。
先程から視界には入っていたものの、
まずは状況確認という事で触れなかった。