生きていこう。それがいいんだ。
「豊川刑事。ご無沙汰しています。」
「お久しぶりです。」
「お加減は今も優れませんか?」
「ぼちぼちです。」
なんだか・・お互い他人行儀丸出しで挨拶を交わした後、THE公務員さんが僕を見た。
「君は初めて見る顔ですね。」
「あ・・星野と申します。」
「初めまして。県警の板尾です。」
「!?」
・・・・静岡県警・・・!?
「板尾警部。県警の皆さんがお揃いでどうしたんですか?」
「本事案は県警が捜査を主導する事になりました。
関本君には先ほど伝えましたが、早速午後からセイズ署で丁場を立てます。」
「それにしては随分とお早いご到着ですね。
所轄に任せる事が出来ない事情がお有りですか?」
「被害者の身元はお聞きになりましたか?」
「名前ぐらいですが聞きました。」
「彼は、立石ヤストシ氏のご子息です。」
「・・・・・・・・・そうですか。」
「豊川刑事ほどの優秀なお方でしたらお察しがつくかと思いますが、
立石大臣が直々に本庁へ。
本庁から県警へ“被疑者を必ず挙げるように”と厳命が出ました。
県警と所轄。協力して犯人逮捕に全力を尽くしましょう。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「・・・20年前、灰原ジロウの存在を突き止めてくれた豊川刑事のその手腕。
今回も期待していますよ。」
「はい頑張ります。」