生きていこう。それがいいんだ。
視線の先では、県警の皆さんが一旦規制線から出て、どこかへと帰っていった。
その様子をお辞儀しながら見送っていた関本主任が・・
頭をポリポリと掻きながら、
苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて僕達の元へと戻ってくる。
「テツさん・・参ったなこりゃ。」
「立石大臣の息子とは驚きましたね。」
「・・・・星野。」
「あ、はい。」
「分かってると思うが、
絶対にその“力”の事は口外するなよ。」
「・・・はい・・。」
「県警が捜査を主導する事になった以上、俺達は彼らの捜査方針に従わなきゃいけない。
だからいつもみたいな、“死者からの証言”は絶対に持ち出せねぇ・・。」
「分かりまし・・・。」
「・・と言いたいところだが・・。」
「・・・?」
関本主任が豊川さんと目を合わせて、
フッと・・不敵な笑みを浮かべる。
「20年前とは取り巻く環境も、
俺達の実績も何もかもが違う。
テツさんと星野は密かに独自捜査を進めてくれ。
“セイズ署”としてはちゃんと県警の連中に協力するんだから、
2人ぐらい自由行動取っててもどうせあいつらは気にしない。」
「板尾警部の目も誤魔化せますか?」
「問題はあの人だな・・。でもまぁちゃんと報連をしてれば大丈夫です。」
「分かりました。私達のほうで分かった事があったら関本主任にのみご報告します。」
「お願いします。こっちもこっちで県警との捜査状況について連絡するので、
お互い情報を共有しながら被疑者を挙げましょう。」