生きていこう。それがいいんだ。
――――――
「セイズ署刑事課の豊川です。」
「同じく星野です。」
『・・・立石カズマ。』
「この度はご愁傷様でした。」
もはや“空気”と化してしまったけど、
身なりが整ったスーツ姿。
政治家の息子と言われれば確かに・・
どこか上品というか高貴というか・・
少し悪い言い方をすれば、
どこか斜に構えた印象を受ける。
『俺は本当に死んだのか?』
「残念ながら、あそこのブルーシートの上に横たわっているのがあなたの体で、
今私たちと喋っているのがあなたの魂です。」
『・・・・・・・・・・。』
「では早速、殺された時の状況を教えて頂けますか?」
豊川さんの問いかけに、
立石さんが少し上を見上げて、
ゆっくりと回顧を始める。
『ここはいつも帰宅ルートとして通ってた。』
「車通勤では無かったのですか?」
『飲酒運転の罰則が厳しくなっちまったからなぁ。
今はちゃんと真面目に電車を使ってやってる。』
「では昨夜もどこかで飲んだ帰りですか?」