生きていこう。それがいいんだ。

「・・・ねぇタケル。」


「うん？」


「これで貸し借り無しだから。」


「え～っと・・俺なんか貸してたっけ？」


「・・私が人目をはばからずに泣き喚いたって誰かに言ったら殺すからね？」


「・・・ハハッ。分かった。」



「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」


「え・・・どうした？」


「・・・・・・・・・別に。」


「気になるな～。言ってごらんよ。」


「・・・Ｘデーを過ぎた後は・・・
もう会わない方がいいよね・・？」


「あれ！？なになに、寂しいの？」


「別に。ただの確認だから。」


「そうだなぁ～・・・。

明日から待ったなしで警察との戦いが始まるわけだから、

しばらく密会は控えたほうがいいね。

“タケルには親しくしている女がいる”
“もしかして共犯者か？”

そんな事が刑事達にバレたらせっかくの作戦が台無しになる。」


「・・・・・分かった。」



「でもさ・・・。」


「・・・・？」


「お互い密会の意思が無くても、“たまたま会った”だけならセーフじゃない？」


「どういう事？」


「この前みたいに、外の空気が吸いたくなった夜はここに来なよ。

もしかしたらこの前みたいに、偶然ばったりタイミング合うかもね～！」


「・・・この前はたまたまだし。

そんな安っぽい恋愛ドラマにありがちな展開、そうそう続かないから。」


「・・・・・・え？“恋愛ドラマ”？
なんでジャンル限定・・・？」


「！！！？」


「あ～!!!ひょっとしてシズカ・・
俺の事が好・・・。」


「違うし！！！！！」

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