生きていこう。それがいいんだ。
霊視刑事 星野ヨシヒト
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夜中になって戻ってきたセイズ署。
何枚もの紙が机の上に散乱して、ホワイトボードにぎっしりと文字が書かれ、
いつもの光景というか・・いつものように開かれた捜査会議の残り香のような会議室。
梅田課長が煎れてくれた湯飲みを持ちながら、
関本主任と豊川さんと3人で適当な椅子へ腰掛ける。
「県警から“防犯カメラの映像解析”を命じられたウチの班の連中に、
テツさんの情報を密かに流して、
ヘルメットを被ってる・・あるいは手に持つ人物をくまなくチェックしてもらってますが、
今のところ該当者はいない。」
“現場付近”とはとても言えない、現場から一番近い場所にある防犯カメラ。
やはり距離が離れすぎているか・・。
「用意周到に犯行に及んでいる点から、
“犯行後”の帰宅ルートも予習済といったところですね。」
「テツさん。いっそのこと“ウルトラC”を使うのはどう?」
「板尾警部を初めとする、
県警の皆さんを納得させられる説明が後付けできれば良いですが・・?」
「あぁ~~・・無理だろうなぁ。
俺達だけだったら何とでもなるのに・・。」