生きていこう。それがいいんだ。


「被害者周辺の聞き込みの結果はどうでしたか?」


「奥さんから一つ、気になる証言が得られた。

ここ最近、“無言電話”が掛かってきていたそうです。」



「・・・・・・・・・。」

「え・・関本主任。
無言電話はいつから・・?」


「一週間ぐらい前から始まったらしい。

最初は何も言われずに電話を切られたそうだが、

男の声で、“必ず殺す”って言われた日もあったらしい。」


「そうですか・・・。」


「電話を掛けてきたのが犯人と見て、
まずは会社周りの人間関係を中心に、

立石に恨みを持ってそうな奴がいないか探すよう、板尾警部から号令が出た。」







関本主任との今夜の情報共有を終えた所で、

“長くんがまだ残っている”と教えてもらったので、今度は鑑識班の作業場へと向かった。


捜査はまだ始まったばかりだけど・・


「だぁああ!!何も出てこないっす!!」


作業場へと着いて早々、

悔しそうにステップを刻んだ長くんの口からギブアップ宣言が飛び出す。


こんな遅くまで残って、死体や現場の遺留物をくまなく検証していたみたいだけど、

どうやら手掛かりが全く無いらしい・・。

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