生きていこう。それがいいんだ。


「そう言われてみると確かに・・

“完璧”に事に及んだ一連の行動に対して、

わざわざターゲットへ警戒心を与える殺害予告なんて・・

捉え方によっては“凡ミス”と思われてもおかしくありま・・・って・・・

じゃあ何の為に・・?」


「ここまで完璧を重ねてくる犯人なので、絶対に無意味なことはしないでしょう。

一見すると犯行予告に見えるその裏で、別の目的があったはずです。

そこには必ず何らかの犯人の思惑があるはずです。」


「・・・・・・・・・・・。」


「星野君。」


「はい・・。」


「今回は“全て”の事柄にアンテナを張ったほうがいいかもしれません。

残念ながら今のところ、
犯人に付けいる隙がありません。

しかし裏を返せば、チャンスがどこに転がっているか分からないという事になります。」


「・・・・・・・・。」


「それに、長くんが苦戦している今回の状況では、

【状況証拠】が決め手になるかもしれません。」


「・・・・。」


「いつもの捜査でしたら、状況証拠というのはあくまで補足に過ぎません。

しかし、物的証拠を挙げるのが難しい今回の事案では・・」


「【この人が犯行を犯したとしか思えない】という状況を導く・・ですか?」


「その為にも、この事件に出てくる全ての人・物・事柄にアンテナを張って、

突破口を見つけましょう。」


「分かりました・・!」


< 89 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop