生きていこう。それがいいんだ。
「俺はお前が気に入ったからこれを渡すんだぜ?・・・・黒田シズカよぉ。」
「!?」
「じゃあこの書類も今日限りでシュレッダーに掛ける。」
「・・・なにそれ・・・?」
「お前に掛けてた生命保険の書類だ。
こっちはお前の母方の親戚中の名簿と、
土地契約に関する情報。」
「いつの間に・・・・。」
「悪りぃがこっちも商売だからな。
お前が勝手に飛んだり、デコスケにパクられるぐらいだったら何もしねぇが、
もし俺達を裏切ってこっちの情報を奴らに流してたら、
キッチリ落とし前つけてもらうつもりだった。」
「・・・・・・・・・。」
「お前が関わってきた業界ってのは、
そういう世界なんだよ。」
「うん。分かってたけど想像以上だった。」
「ヒャヒャヒャ安心しろ。一応こうでもしとかねぇとお頭に怒られちまうからなぁ。
お前はそんな女じゃねぇって俺は信じてた。」
「・・・ホントは・・
“自首”するべきだって考えた。
でも、私が今日まで生きてこれたのは竜さんがくれたお金のおかげだから、
竜さん達は絶対に裏切れない。周りから“卑怯者”って思われようが自首もしないし、
ここで過ごした日々は誰にも言わない。」