冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】

もちろんその言葉の真意なんて
物的証拠があるワケではなない為
証明する事は不可能。


「どうしてそう思う」


だから早々簡単には受けれ入れてはもらえない。


「この短時間でも
 さすがにわかりますよ。
 飲めないお酒を頑張ってでも
 貴方様を想っているんですから」

「は?」

「仰っていましたよ。
 ”柴永様が皆さんからどう思われているのか
  仕事ではどんな人なのか。
  まわりから話を聞く事は滅多にないから
  今日、初めて知れて良かったな”と。
 人望がある事が嬉しいんだって…」

「なんだ…それは…」


間接的に知らされた事実と
本当は本人の口から聞きたかったもどかしさから
思わず眠るイトカの肩を抱く手に力が入る。


「恐れ入りましたよ。
 木瀬様は柴永様しか見ていないんですから。
 それほどまでに愛しているんです。
 私が入る隙などありません」

「お前がそこまで褒めるとは珍しいな」

「えぇ…私自身もそう思います。
 だから”完敗”なんですよ」


『はぁ…』とまた
小さく溜め息を吐く西園寺。
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