冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
最終章:VS社長に甘く優しい糖分を。
*想い、繋がる
シバ社長はというと
一向に起きないイトカを抱いたまま
テナントの入り口に横付けしていた自分の車まで運び
助手席に座らせ背もたれを倒してあげた。
それでも起きる気配がなく
『むにゃむにゃ』と
気持ち良さそうに寝言を言う彼女に。
「起きたら容赦しないからな…」
不敵な笑みを浮かべながら
そっと囁いた。
もちろんイトカの耳には入っていない為
後々、その言葉の意味を知る事になる――
深夜0時―――
「ほら、着いたぞ…」
「んー…」
「ったく…
本当に世話が焼ける」
自宅に到着するも
結局、部屋まで抱き抱える事になった社長。
月明りが差し込むベッドに寝かせ
どうにも悩んでしまった。
「着物…さすがに脱がせられんな」
誰に言ったワケではない。
自分に言い聞かせたのだ。
”男の諸事情に注意”という意味で。
そんな自身の葛藤に困惑していると…
「しゃ…ちょう?」
ようやく目が覚めたイトカ。
「はぁ…
やっと起きたか」
別の意味でホッとしたというか
着替えに関して悩まずに済んだ。