冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
**番外編**
まさかの疑惑発覚か。
2人が夫婦となって
1カ月が経った頃の話――――
豪華で大規模に開催された結婚式も終わり
イトカの日常は少々変化していた。
社長夫人としてアシスタント業務は続け
公私ともに社長のパートナーとなったのだ。
「あ、今日だっけ。
他業界の社長達との会食って。」
社長宅であり2人の愛の巣となった豪邸で
朝食の準備をしながら思い出したように社長に話し掛ける。
「あぁ。
だから夜の飯は不要だ」
珈琲を飲みながら
イトカの作った朝食を口にする社長。
今まではこんな光景はなかったが
結婚してからは社長のライフスタイルも変わり
食事を共にする回数が増えた。
「お前は来なくていいからな」
「え、なんでよ。
挨拶しないといけないんじゃなかったっけ」
結婚後に
様々な偉い人達に挨拶をする必要があると聞いていた為
急な方向転換に驚くイトカ。
鍋に入った味噌汁をかき混ぜていた手を止め
社長に視線を向けるが
本人は気にする事なくスマホを操作している。
「今後の付き合いもあるだろうから
行った方がいいんじゃないの…?」
火を止め味噌汁を装(よそ)ぐと
彼の元へと運びながら聞いてみた。