冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
でもやっぱり彼の優しさに
どこか気恥ずかしさもあり
顔が熱くなる。
イトカが慣れるのには
まだまだ時間が掛かりそうだーーー
だが金銭感覚には慣れ
仕事も順調に
プライベートも幸せラブラブな生活を送っていた。
…の、はずだった。
騒動の始まりは
翌日の事。
仕事の用事で自家用車を運転し
外出していた社長。
信号が黄色から赤に変わろうとしており
徐行しながらゆっくり停車しようとしていた。
と、ちょうどそのタイミングで
左から1人の若い女性が横断歩道を渡り始めたのだが
シバ社長はどうにも違和感を感じた。
「なんだあの娘…
具合が悪いのか…?」
思わず車内でボソリと呟いてしまうほど
その女性は足元がおぼつかず
フラフラしている。
疑問に思ったのも束の間。
突然、社長の車の目の前で前のめりに
バタっと倒れてしまったのだ。
「嘘だろッ!?」
慌てて車を降りた社長は
すぐさま彼女に駆け寄り
肩をゆさゆさ揺すってみる。
「お、おい…
大丈夫か…?」
しかし
青白い顔してグッタリしたままの女性。