冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
1章:雑用係に採用
「面接に遅刻するとか
本っ当ありえないッ」
新調したリクルートスーツを
家を出る前にビシッと着用したはずなのに
電車の乗り間違いの失態で走る事になり着崩れ。
これまた買ったばかりのパンプスは
もうすでに汚れ始めている。
【木瀬 イトカ】22歳。
ステータス:庶民代表の主人公。
思った事を口に出してしまう、後先考えないタイプ。
157cm細身ながら体力と度胸はある。
目色はダークブラウン。髪の長さはミディアム。
「やっと到着したぁぁ」
ハァハァと息を切らせながら
目的地の高層ビルの入り口で
空高くそびえる建物を下から見上げた。
「実物はやっぱ凄い迫力だな。
まわりの建物も人も
尋常じゃないくらいの富豪感だし
おっそろしい場所…」
『さすが金持ちだ』って
呑気に納得なんてしていたが
遅刻していた事を思い出し
開いた正面玄関の自動ドアを
小走りで抜けていった。
手元の面接会場が書いてある地図と照らし合わせながら
エレベーターに乗り込むと
オフィスゾーンを抜け一気に高層フロアへ。