冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
3章:嫉妬と確執
「俺が意見を求めた時は
今のようにハッキリと答えろ」
「…はあ」
あいかわらず淡々と要件しか伝えられず
結局、社長の意図がわからない事ばかり。
ただ。
”アシスタント”に昇格したのなら
少なからず自分を認めてくれたのかもと
前向きな気持ちにもなれた。
まぁ実際
そんな上手くいくはずもなく―――――
「掃除が終わったら次の仕事だ。
早く来い」
良いように使われる事には変わりなかった。
会社では主に掃除をさせられ
書類整理やコピー
植物の水やりなんかもした。
社長や来客への対応
お茶出しなんかは秘書:鮫島の仕事。
彼女は『手際も応対もいいね』等と
他社からも褒められてばかり。
そんなのを目の当たりにし
天と地との差を毎日痛感させられた。
「今日は鮫島と外に出る。
留守はしっかり守れな」
数日後、社長は行先を告げずに秘書を連れ
高級車に乗り込み外へと出て行ってしまった。
「鬼社長がいない…
やったね!
解放される~」
本人には言えないが
こんな嬉しい事はない。
叱責される事がないのだから