冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
鮫島の立場もある。
だから下手に関わったりすれば
彼女がどうなるのかわかならない。
それと自分自身に危害が及ぶ事も恐れた。
それなのに別の日…
「おい、女。
今日は俺の帰りが遅くなるから
しっかり家のセキュリティを掛けて寝ろ」
すぐ隣でスケジュールを確認している鮫島がいるにも関わらず
どうしてか社長は何気なく
”一緒に住んでいます”宣言をしてしまった。
驚いたのはイトカと…
もちろん鮫島本人だ。
スケジュール確認どころじゃなくなってしまい
瞬きを忘れ目を丸くしながら、その場で固まっている。
「どう…いう事…?」
なんとか絞り出した声でイトカに質問してきたが…。
「えっと…それは、つまり…
掃除屋さんというか…」
遠まわしでありながらも
誰でもわかるような社長の発言に
何をどう誤魔化しても隠せそうにもなく
しどろもどろになってしまう。
それなのに
社長はやっぱり空気が読めない。
「俺の家で住み込みで働いてもらってる」
まさに”衝撃波”
切れ味良すぎの刃のような一言を発した。