冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
しかし、時すでに遅し。

始まってしまった会議。
室内は暗くなり映像がスクリーンに映り出されると
1人の男性がレーザーポイントを当てながら
何億という額の話を始めている。

そうこうしているうちにも
会議は進んでいく。

どうやって抜け出そうか
それしか頭にないイトカはもう必死だ。
生きた心地がしない。


そんな時、突然モニターが消え
スクリーンが暗くなるアクシデントが発生してしまった。


「すぐに復旧させますので
 そのまましばらくお待ちください」


ザワザワとする中で
中年の女性は慌てた様子でパソコンを弄り
復旧作業を行うも、なかなか改善されない。


まさに今がチャンス!

イトカは静かに立ち上げると
入り口まで音を立てずに歩いていき
ドアノブに手を掛けて…止まってしまった。


(モニターが消えたのって
 もしかしてアレが原因なんじゃ…)


思い当たる節が気になってしまい
せっかくの逃げるチャンスを無駄にし…


「ちょっと貸してもらってもいいです?」

「え…」


中年女性の横から割り込み
手慣れたようにパソコンのマウスをカチカチ。
モニターも弄って無事に画面から光が。
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