冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
*意外な一面
何が起きたのか驚いたのも束の間。
イトカの(借りている)部屋の扉を開け
抱えたままベッドに横にした。
「迷惑を掛けてしまいすみません…」
グッタリしながらも
社長に反省の言葉を掛けるが。
「いつから調子が悪かったんだ?」
「えっと…」
「どうして言わなかったんだ」
「それは…」
答える間も与えない早さで質問されてしまい
『やっぱ怒っているよなぁ』と
想像通りの返しに気分までも沈んでしまう。
俯くイトカを見た社長も
聞きながら困った表情をしていた。
普段なら何かと言い返してくるはずなのに
ココまで弱っている姿は
この1か月で見た事がなかったからだ。
だからそのせいか
本人も言い過ぎたと思ったらしい。
「…悪い、誤解させる聞き方をしたな。
怒っているワケじゃないんだ」」
「え…」
強張った表情で軽く頭を下げて謝罪する社長。
今まで1度も見た事がない姿に
イトカもまた驚いてしまった。
「俺はどうにもまわりの人間の気持ちとか
悩みやら辛さがわからん。
だからお前にもキツく当たってしまうな…」