冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】

「たぶんコレで大丈夫だと思います。
 あ、それとこの表の年齢層についてですが
 もっと若者をターゲットにした方がいいかも」


パソコンを戻しつつ
ふと目に入った画面に映る”表”に
思わず意見してしまった。

その場にいた全員が一斉に彼女へと視線が行き
本人も自身の発言と今自分の置かれている立場に
絶句したのは言うまでもない。


「君は誰かね。
 代理か?」

「そういえば見慣れない顔だ。
 どこの店舗だ」


次々と疑惑の目が向けられてしまう結果に。


「あの私は…
 秘書面接で来た一般人でして…
 ちょっと部屋を間違えてしまって…アハハ」


なんて言い訳が通るはずもない。


「そんな嘘をつくな!
 誰なんだねアンタは!」

「大事な社内外の会議に
 身分を隠して潜入とは
 まるでスパイのようだぞ!」

「警備員を呼べ!」


潜入調査で入ったスパイのような見方をされ
危険な悪人のような扱いを受ける羽目に。

ざわつく会場に
大事になってしまった事への焦りと
『大人しくしていれば良かった』と後悔。


警備員が駆け付け
いよいよ警察沙汰かと思った、ちょうどその時だ。



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