冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
*護られる意味。
時を同じくして
イトカはこれから起こる悪夢に
不安と恐怖を抱えながら
高層フロアから見える夜景を
覚悟の思いで見つめていた。
初めて訪れる55階
― 会員制VIPバー ―
煌びやかなイブニングドレスを着た若い女性達と
高価なスーツを着た男性達が
それぞれの席でグラスを合わせ
楽しそうに会話をしている。
その一方で
ドレスコードなんて持ってないイトカは
ネイビーブルーのフォーマルワンピースと明らかに場違い。
それだけに目立ってしまい
顰蹙《ひんしゅく》の眼差しを受ける羽目になった。
「どちら様でしょうか。
ココは会員様のみ参加出来る場所」
「えっと…私は…」
『金我様に呼ばれました』と言おうとしたが
身分証や会員証を身に着けておらず
信じてもらえるか心配になっていると…
「こっちへ来い、掃除屋!」
場内に響くほどのド迫力な声で
イトカを呼びつける金我。
その声で瞬く間に注目を浴び
思わず俯きながら彼の席へと近付いた。
「やっと来たか。
なんともまぁ…滑稽な服装だな。
さすが掃除屋」
イトカを見るなり
嘲笑う金我。
イトカはこれから起こる悪夢に
不安と恐怖を抱えながら
高層フロアから見える夜景を
覚悟の思いで見つめていた。
初めて訪れる55階
― 会員制VIPバー ―
煌びやかなイブニングドレスを着た若い女性達と
高価なスーツを着た男性達が
それぞれの席でグラスを合わせ
楽しそうに会話をしている。
その一方で
ドレスコードなんて持ってないイトカは
ネイビーブルーのフォーマルワンピースと明らかに場違い。
それだけに目立ってしまい
顰蹙《ひんしゅく》の眼差しを受ける羽目になった。
「どちら様でしょうか。
ココは会員様のみ参加出来る場所」
「えっと…私は…」
『金我様に呼ばれました』と言おうとしたが
身分証や会員証を身に着けておらず
信じてもらえるか心配になっていると…
「こっちへ来い、掃除屋!」
場内に響くほどのド迫力な声で
イトカを呼びつける金我。
その声で瞬く間に注目を浴び
思わず俯きながら彼の席へと近付いた。
「やっと来たか。
なんともまぁ…滑稽な服装だな。
さすが掃除屋」
イトカを見るなり
嘲笑う金我。