冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
「コレはなんの騒ぎだ」
漆黒のオーラと紺色のスーツを身に纏い
鋭い目つきで睨みを利かせた1人の若い男が
会議室に現れた。
180cmを超える長身と
誰も寄せ付けない圧倒的な存在感に
その場にいた男性達も鎮静されていく。
それにも関わらず
姿を現すまでまったくと言っても良いほど気配を感じさせない。
イトカは直感した。
この男がココのボス
”柴永 サクマ社長”だという事に。
「シバ社長、すみません。
どうやら不法侵入者が紛れ込んだようでして
今すぐ追い出します」
「だから不法侵入じゃなくて
私は秘書面接に来ただけなんですってば!」
「嘘を言うな!
黙ってコソコソと会議に参加して
モニターが消えたのもお前の仕業だろ!
パソコンを触るフリを
きっとデータを盗んだに違いない!」
「そんなワケないじゃないッ
本当に間違えて入っちゃっただけなんです!」
「この女、会議内容に意見まで言ったんですよ。
どこかのスパイかもしれない!」
1対、数名の男性の繰り広げられる攻防戦を
黙って聞いていたシバ社長だったが…