冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
6章:迫られた選択
晴れて2人は婚約。
その知らせは
大々的にニュースとなり
イトカの知名度も上がった。
そうなれば彼女に対する扱いも変わってくるが
当の本人達はと言うと…
「赤か黒…
いや、純白の白でもいいな…
コレなんてココがこんなに…」
「社長…
さすがにそれは大胆ですよ。
もっと控えめな方が…
それに色も派手で…恥ずかしいです…」
何やら真剣に意見交換をしている。
その姿を鮫島は呆れるように
小さく溜め息。
「水着の色を決めているんじゃないんですから
誤解を受けるような言い回しはやめてください」
ピシャリと一喝。
確かに若干、やらしい会話にも思えるが
2人が見ていたのはフォーマルドレスの試着室。
婚約をしたからには
最低限ドレスコードはないと
2人にとっても恥であり
社長としての威厳にも関わってしまう。
「…よし、それならマシだな」
ライトブルーが基調のピンク紫のレースを施した
フレアなロングドレスに身を包んだイトカが試着室から出てくると
社長は椅子に腰掛けたまま腕を組みながら
『まぁいいだろうと』と納得した様子で頷いた。