冷酷社長に甘さ優しさ糖分を。【完】
こうなると
下手したら追放され兼ねないのだが―――
「そもそもあの手紙はなんだ!
誰が悪魔だ!誰が!!
大切に想っているなら
甘いモノを克服しろなんて言うな!」
「こんなところまで来て
ツッコミ箇所はそこですか!?
わざわざ言うために来るなんて
暇なんですか!?」
「はぁ!?
こっちは全ッ然、暇じゃない!
貴重な時間を”わざわざ”来てやったんだぞ!
むしろ有難く思え!」
お互いとも
外だという事も忘れるほどにヒートアップ。
そのせいで
騒ぎに気付いた人々が続々と様子を見に集まりだす始末。
まわりからの視線を受けているこの状況は
さすがに2人とも恥ずかしくなり
一気に頭が冷えた。
「社長のせいで目立って仕方ないんですけど
どうしてくれるんですか」
「俺のせいじゃない。
お前が勝手な事をしたからだろ。
お前がなんとかしろ」
小声で話ながらも
結局言い合い。
「本当に何しに来たんです?
今日は大事な日だったはずですよ」
「あぁ。大事な日だ。
だからココに来た」
”だから”の意味がわからず
イトカは首を傾げた。