たばこに隠された想い Ⅰ



「...さっきの女は?」


「あ?あぁ、あんな女さっさと蹴散らしたわ
うぜェし」


めんどくせェ、とそう言う嵐は確かにめんどくさそうな顔をしてる


「前の遊び相手だったんじゃないの?」


「う...まァ...?!おい、蝶羽?」


嵐は突然驚いたような顔をして私の顔を覗き込んだ



「?」


「おま、なんで泣いてんだ?!」


え、泣いてる...?

頬に手を当てると、何故か濡れていて、一度溢れた涙は止まることを知らず流れ続ける




「...はぁ、ちょっとこっち来い」



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