たばこに隠された想い Ⅰ




入口のほうから物音が聞こえて顔を上げた




「あ、げは...?」


入口には嵐が立っていて、嵐の足元には今落としたであろうスクールカバンが落ちていた




「蝶羽っ...蝶羽!」


「あら、し...」


掠れた汚い声で何とか嵐の名前を呼ぶ



嵐は小刻みに身体を震わせながら私を優しく抱き締めた




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