たばこに隠された想い Ⅰ



行きと同じように、安全運転で出発した嵐は、いかにも荒そうなのに本当に意外だ


「家どこだおめぇ」


「えーと、」


家までの道を言葉で伝える


あそこらへんか、と嵐は直ぐに分かったらしく、私が住むアパートまで送ってくれた



「結構遅くなっちまったな、親とか大丈夫なのかァ?」


「ああ、私親いないから」



咄嗟に返したその返事に、異様な雰囲気が流れ出した

あ...失敗した



「...あー、なんか悪ィな」


「大丈夫」


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