たばこに隠された想い Ⅰ
嵐side




『私、親いないから』


そう言ったあいつは瞳を真っ暗にして俯いていて、あいつがたまに暗い顔をするのはそれが原因なのかと思った



この一週間、あいつは一度も笑ってなくて、さっき、初めて笑ったのを見た

それが余りにも綺麗に感じて、顔が熱くなるのを感じた


女なんかいくらでもいるし、何人も抱いてきた

それでもあいつより綺麗な女は見たことなくてそんな奴の笑顔に思わず照れちまった



「チッ...」



なんで俺は一週間前に会ったやつのことばっか考えてんだ!



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