たばこに隠された想い Ⅰ



「...そういや

あいつ親いねぇらしい」


俺が亮を見てそう言うと、ぴしりと、空気が固まったのが分かった


死んだとか、そういうのは言ってなかったが、いないとは言ってたな


天下龍にはそれなりに色々事情がある奴も多くて、此処に寝泊まりしてる奴も多かった

俺もしょっちゅうここで寝てるしな



「...そうか」


亮はそう言うと、何か考える素振りをし始めた



「未来、そろそろ帰ろうか、送るよ」


「あ、うん!またね皆!」



広樹に連れられ、未来は倉庫から出ていった



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