それが恋だと知っていた【完】



コンパスが長い佐良を追いかけて理由を問う。


すると佐良はため息をついてクルッとこちらを向いた。



「どこがと言うか、全体的に服が傷んでる気がする。それ買ったの学生の時だろ?物持ちいいのは良いことだと思うけどさ」



たしかにこのジーンズを買ったのは学生の時だし、このお気に入りのバンドTシャツもよく見ると首元がよれてきている。


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