ずっと一緒に 〜後輩男子の奮闘記〜
浴室から出てくると、なんだかいろいろテーブルに並んでいた。
中でも目を引くのは、だし巻き玉子。
「うわあ……はるちゃんが作ったの?」
「全部じゃないよ。出来合いもあるけど、だし巻きは俺が作った」
「食べたい!」
「どうぞ」
ビールを開けて、乾杯する。
はるちゃんお手製のだし巻き玉子は、ふわふわで、優しい味がした。
「えへへ、幸せ」
だし巻きを頬張ってはるちゃんを見ると、はるちゃんも笑っていた。
「良かった」
優しい目。とろけてしまいそう。
この優しさを独り占めしていいなんて、私はなんて幸せ者なんだろう。
はるちゃんの作ったご飯はどれもおいしくて、私は大満足だった。
2人で片付けをして、もう一度ビールで乾杯して落ち着いた。
「今日のご飯、全部おいしかった。作るの大変だったでしょ。ありがとね」
にこにこして言うと、はるちゃんはビールをググッと飲んだ。缶をテーブルに置いて、私が持っている缶も取って置く。
そして、グイッと私を抱き寄せた。
「今日、ごめん」
「?……今日?」
「会社で、変な態度取った」
「ああ……気にしてないよ?」
「うん、でもごめん……勝手に嫉妬した」
嫉妬?って……久保田君に?
「会社戻った時、千波さんと久保田が仲良くしゃべってるの見て、嫉妬したんだ」
仲良く、はるちゃんの話をしてたんだけどな。
黙って聞く。
「久保田は、前に千波さんは全然ありって言ってたから、それもあって」
「えっ⁈」
「あいつ、今もそうなんだ。時々、千波さんのこと、じっと見てるし」
「……気のせいじゃない?私達がうらやましいって言ってたよ?」
「俺にもそう言ったよ。本田さんがもう1人いればいいのにって」
はるちゃんは、私を抱く手に力を込める。
「千波さんは駄目だって言ったから。千波さんは俺のだから、誰にも渡さないよ」
はるちゃんの力はどんどん強くなる。
不安なんだ。
私が、はるちゃんの隣を失うのが怖かったように。
「私、どこにも行かないよ」
はるちゃんが、ピクッとした。
「はるちゃんの隣にいる」
体を離して、私を見る。
やっと、顔が見られた。
嬉しくて、笑った。
「はるちゃんて呼ぶのは、私だけだから」
はるちゃんは、ぽかんとしてた。
その顔も、カッコいいし、可愛かった。
「私だけの、はるちゃん」
首に抱き付くと、はるちゃんはぎゅっと強く私を抱きしめる。
「……千波さん……好きだよ……」
そのまま、ベッドに倒される。
「好きだよ。もうこれ以上なんて言ったらいいかわかんないくらい好きだ」
優しい目。その中には熱がこもってる。
はるちゃんが眼鏡を外して、テーブルに置いた。
その大きな手が、私の頬をなでる。じんわりあったかくて気持ちいい。
潤んだ目に吸い込まれそう、と思ったら、キスが降ってきた。熱くて深い、食べられてしまいそうなキス。
キスの合間に、はるちゃんがささやく。
「千波さんがこのTシャツ着ると、体のライン想像しちゃって、すっごくエロい」
「えっ⁈」
そんな風に見えてたの⁈
「そんで、このTシャツが俺のだと思うとすっげー興奮する」
はるちゃんの手が、胸の上を這う。
「俺の服着た、俺の千波さんだ……」
Tシャツは胸の上までたくし上げられた。
ブラジャーの上から、はるちゃんがキスをする。肌にかかる息が熱い。
はるちゃんは、胸を触りながら首筋にキスをする。
「俺、ほんとはちゃんとわかってる」
「なにを?」
「千波さんは、千波さん。誰のものでもない」
目が合った。はるちゃんが微笑む。
「そう思ってたでしょ?」
その通りだった。
私が頷くと、はるちゃんはまた微笑んだ。
そして、手を背中にまわす。
「でも、このエロい千波さんは、俺だけのものだから」
ブラジャーのホックを外された。
解放感があったのも束の間、はるちゃんの手が触り出す。
自分の息が荒くなってくるのがわかる。声は、恥ずかしいから出さないようにしてる。
はるちゃんの口が、耳元に寄った。
「声、聞かせて。俺の大好きな、千波さんの声」
「そんな……やっ……」
耳にキスされた。体がピクッと反応する。
「その声も、息も、エロくてたまんない。俺のだよ」
ブラジャーも上げられて、胸が露わになった。
恥ずかしくて手で隠すと、はるちゃんはいつになく強引に私の手をつかんでベッドに押し付ける。
「はるちゃん、電気……」
「今日は駄目」
「え……」
「駄目だよ」
食べられそうなキス。そのまま、キスは胸に移った。
先端を口に含まれると、体に電気が走ったように反応する。
「千波さん、可愛い」
はるちゃんが小さく笑う。
「この胸も、俺のだよ」
そして、また口に含まれる。
「あっ……はるちゃん……」
もう恥ずかしくてたまらない。
はるちゃんは、私のズボンとショーツを取った。
そして、足の間に入る。
膝に、ちゅっと軽く口付けた。
それにも反応してしまう。
はるちゃんは、また小さく笑った。
「この足も」
内ももに口付ける。ちゅっとしてから、今度はペロッとなめた。
「あっ、やっ……」
「千波さん、可愛い。もっと聞かせて」
言いながら、どんどんキスは足を上がってくる。
「ここも、俺のだよ」
そう言って、一番敏感なところに口付けた。
「やっ、やだ!」
逃げようとするけど予想してたみたいで、がっちり捕まえられている。
「駄目だよ、逃げないで」
「やっ……はるちゃん……恥ずかしいから」
与えられる快感に身をよじる。
はるちゃんは、そんな私を見て嬉しそうだ。
「千波さん、可愛い。その可愛い千波さんも、俺のだよ。俺だけ」
そうして、私をしばらく感じさせて、はるちゃんは自分の服を脱ぎ、ゴムを着けた。
「全部、俺だけの千波さんになって」
はるちゃんが挿入ってくる。
快感が全身に伝わった。
はるちゃんは、そのままキスをする。
もう、私はされるがままに気持ち良くなっていった。
はるちゃんが息を荒くして、感じてくれている。
嬉しかった。
2人で昇り詰めた後、はるちゃんは私の胸に顔を埋める。私は、頭をなでて、落ち着くのを待つ。
「私だけの、はるちゃん……」
頭をなでながら呟くと、はるちゃんがモゾモゾ動き出した。
「千波さん、そんな可愛いこと言うと、おさまんなくなる」
「え?……あ」
私の足に、確かに当たってる熱いものがある。
「俺、自分は割と淡白な方だと思ってたんだけど」
はるちゃんは、顔のすぐ横にある私の胸にキスを始めた。
「千波さん相手だと、そうじゃなくなるみたい」
やわやわと胸を触って、キスをしながら言う。
「あっ……は、はるちゃん……」
私の息は荒くなる。声は、まだ我慢できるけど。
「誰にも見せないで、閉じ込めておきたい」
「え……」
「そのくらい好きだよ」
はるちゃんは、一度起きて、ゴムをつけ直した。
「え?さっき……」
絶句する私に、はるちゃんは妖しく微笑む。
「千波さんが可愛いからだよ」
はるちゃんは、私の足の間を触って確かめて、にこっと笑った。
「大丈夫みたいだね」
「え、あっ……」
もう一度、はるちゃんが挿入ってくる。
全部を挿れた後、はるちゃんは私にキスをした。
「俺だけだよ。誰にも渡さない」
私は、もういっぱいいっぱいだ。
「俺だけの千波さんだからね」
もう何も考えられない。
私が頷くと、はるちゃんは妖しく笑って、動き出した。
その後、私が眠りにつけたのは、空が白み始めた頃だった。
眠りにつけたというか、意識を飛ばしたというか、なんというか……。