好きは色づく花。
「楓、水川さんと仲がいいんだね」
「ああ、まあ、別にそこまで仲がいいわけじゃないけど」
視線をそらして少し言葉を濁す。
「二人ともおかえり」
部室に戻ると、一足先に部長と葵は戻っていた。
「いい写真は撮れましたか?」
「撮れました」
「では、今日は写真の選別だけして解散にしましょう」
ノートパソコンを2台机に並べ、さっき撮った写真を読み込む。
1枚ずつ確認し、選別する。
水川さんのお願い通り、水川さんがメインで写っている写真は省く。
「菫はさ、水川さんのことどう思う?」
突然、パソコンを操作しながら楓が言う。
「可愛くて美人でもあって、結構いい人そうだなって思う。ほとんど話したことないからよくわからないけど…」
「そうか」
「突然どうしたの?」
「いや、ちょっと気になって」
「菫、こっちはもう終わるけど、そっちはどう?」
「あ、うん、こっちももう終わりそう」
「相沢さんと上嶋くん、悪いんだけど、飲み物買ってきてくれませんか?お金は部費で出しますので」
「わかりました。部長は何がいいですか?」
「ブラックコーヒーでお願いします」
「楓は?」
「ココア」
「了解。じゃあ、行こうか」
「