好きは色づく花。


「楓、水川さんと仲がいいんだね」


「ああ、まあ、別にそこまで仲がいいわけじゃないけど」


視線をそらして少し言葉を濁す。



「二人ともおかえり」


部室に戻ると、一足先に部長と葵は戻っていた。


「いい写真は撮れましたか?」


「撮れました」


「では、今日は写真の選別だけして解散にしましょう」


ノートパソコンを2台机に並べ、さっき撮った写真を読み込む。


1枚ずつ確認し、選別する。


水川さんのお願い通り、水川さんがメインで写っている写真は省く。


「菫はさ、水川さんのことどう思う?」


突然、パソコンを操作しながら楓が言う。


「可愛くて美人でもあって、結構いい人そうだなって思う。ほとんど話したことないからよくわからないけど…」


「そうか」


「突然どうしたの?」


「いや、ちょっと気になって」


「菫、こっちはもう終わるけど、そっちはどう?」


「あ、うん、こっちももう終わりそう」


「相沢さんと上嶋くん、悪いんだけど、飲み物買ってきてくれませんか?お金は部費で出しますので」


「わかりました。部長は何がいいですか?」


「ブラックコーヒーでお願いします」


「楓は?」


「ココア」


「了解。じゃあ、行こうか」














< 12 / 13 >

この作品をシェア

pagetop