好きは色づく花。
杏と途中で別れると、私たち3人になる。
私と楓はお隣さん、葵はお向かいさんなのだ。
玄関の前、
「じゃあ、また明日」
と言って別れる。
葵が背を向けた後、楓が私に話しかける。
「菫、みー太見てく?」
ふと資料室でのことを思い出す。
「……今日はやめておこうかな」
「そう」
「ほら、今日数学の課題あるし。それやらないと。また今度」
楓の様子を見ると、あのことは特に気にしてないように見える。
私が気にし過ぎなのかな。
別にあれくらいの距離、ずっと一緒に過ごしてきた中で何度もあったのに。
変な私。