可愛い弟じゃいや。
柑奈side


私……、なんてことを!!

教室だったのに、たっちゃんに抱きつくなんて!

ていうか!

なにあれ!

さっきまでの出来事をもう一度頭の中で再生する。

―――ふと椅子に座ったたっちゃん。

ちらりと私の目を見て

「柑奈、せんぱい…。」―――

って!!

あの上目遣いはやばい…

じゃなくて!

もーただの変態じゃん。

いつもは何してても涼しい顔してるのに。

あの時は、すごく恥ずかしがってるような、そんな顔。

いつも可愛いしか思ってなかったけど、さすがにあれはドキッとした。

可愛い弟に…

たっちゃんに…

ドキッとするなんて。




しかも、クラスの女の子達、めちゃくちゃ騒いでたし!

たっちゃんがあんな顔するから…。

まともに顔、見れなかった。

変に思われたかな。

でも、たっちゃんってもとから女子に人気だから、これ以上人気になったら、私隣にいられないのかな。

なんて、少し不安。

可愛い弟と言いつつも、寂しいから会いに行くみたいな感覚だったから。

たっちゃん、告白もよくされてるしね。

やっぱり、同い年なら良かったなぁー、

なんて。

病んでる人みたいだなー。私(笑)
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