可愛い弟じゃいや。
樹城side


―――キーンコーンカーンコーン―――

午前の授業が終わって、昼休み

一気に教室が騒がしくなり、

「たつきー!飯食いに行くぞー!」

6人くらいで揃って、食堂に向かってる時だった。

「かんな〜。」

「ん?なにー?」

「俺が休んでた時のノート書きたいから貸してくんねぇ?」

「いいよーって、あっ!待って!見ちゃダメ!」

「え?ちょっなにこれ‪w‪w
ラクガキひどいな‪w」

「見ちゃダメって言ったのにー!」

「ごめんて‪w
どー見ても学年トップ5のノートには見えねぇじゃん‪w」

かんちゃんと、同じクラスの男?










かんなって。








同い年なら呼び捨てできたのか?

かんちゃん、楽しそう。

かんちゃん、昔は俺以外の男とは必要最低限しか話さなかったから、今でもそうだと思ってた。





勝手にかんちゃんの隣は俺だって思ってた。



















いや、思いたかっただけかな。

1番近いのは自分だって。












馬鹿だな。

ただの幼なじみなのに。

俺はかんちゃんが好きでも、向こうは弟にしか思ってないのに。

「はぁー」

思わずこぼれたため息。

「どした?たつき?」

友達は心配してくれてるのか、優しく声をかけてくれる。

かんちゃんと、同い年だったら、こんな風に学校でも近くにいられたのかな?






遠いなぁ、かんちゃん。







って、ちょっとかんちゃんと楽しそうに同い年の男がしゃべってただけで、色々とグチグチ考えてる自分が情けねぇ。

恋愛初心者の女子か!

まぁでも、たまに思い知らされるんだ。

俺はかんちゃんの弟にすぎない。






年下なんだって。














どー頑張っても、変わらない。



かんちゃんにとって、年下は。














俺は。















恋愛対象外だってことを。










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