転生悪役幼女は最恐パパの愛娘になりました
「サマラの言ったことは間違っていない。妖精に敬意を払えぬ者は魔法使いである資格がない。これは暴言ではなく正論だ。それから、身の危険を指摘をするというのならこちらも同じことを訴えさせてもらおう。サマラはこれまで何度もリリザ・ミモランダの魔法の被害に遭っている。証人も大勢いる。『奇跡の子』とはいえ平民であるリリザ・ミモランダが魔公爵家の娘に度重なる加害行為を働いた責任を、保護者であるお前に問おう」

まるでブーメランのように返された反論に、シャーベリンはきつくディーを睨みつける。しかしどんなに恐ろしい形相で睨みつけたとしても、言葉が出てこない時点で劣勢だ。

次々に非を指摘されリリザはポカンとしていたが、やがて両手で顔を覆ってワッと泣き出した。

「リリザがいけないの……わかってる、全部リリザのせいだって。でも……リリザだって頑張ってきたのに！　一生懸命だったのに……！」

いかにも彼女らしい台詞は想定内だ。けれど顔を上げたリリザが口にした台詞に、サマラはドキリとする。

「ディー様！　リリザにチャンスをください！　リリザは立派な魔法使いになるってママと約束したの、こんなことで負けたくない！　だから……必ず魔力を使いこなせるようになりますから、もう一度チャンスをください！」

それは、ゲームでリリザがディーの攻略ルートで言った台詞だ。
魔力がうまくコントロールできないリリザにディーが発破を掛けようと『お前は魔法使いに向いていない』と突き放したとき、リリザはそう答えて強い意志を見せたのだ。

サマラの胸が不安で早鐘を打つ。
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