喉元の熱~℃~

『皆と同じくらいの歳だったらなぁ…』

と、いつもその言葉の後に冗談を加えてはにかんで見せていた。

僕や他の飲み仲間は25前後が多くて、彼女だけが30歳だった。
歳を聞かなければ僕より年下なんじゃないかと思える位、可愛いと綺麗を持ち合わせている女性なのに。
彼女の言葉の意味をどう解釈したら良いかも分からず、親しくしていながらも一線を引かれているみたいな気持ちを抱きながら飲み会に参加していた。

そんな事を気にして誘えずにいた僕に、突然彼女の方からお誘いの連絡が来たんだ。
理由は想像もつかないけれど、僕は胸を高鳴らせながら、気持ちを伝える覚悟を決めながら、彼女の指定した店に駆けていった。

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