喉元の熱~℃~
店の近くまで来ると、チャコールグレーのシックなワンピースを着た彼女が、小さくジャンプをしながら微笑んで僕に手招きをしているのが目に入ってきた。
その仕草が可愛らしくて、一旦彼女からの視線を反らしてから軽く手を振り返して照れ隠しをしたつもりだけれど、きっと、全然隠しきれていなかっただろう。
二人で店の中に入ると、モデル級のバーテンダーがカウンター越しに『いらっしゃいませ』と迎え入れてくれた。
彼女がこの店を選んだのは、このバーテンダーと同級生で気兼ねする事がないから、且つ彼女と僕が好きなワインの種類が豊富だかららしい。
バーテンダーの彼は、薫さんと言うらしい。
その端正な顔立ちに似合っている名前だなと思ったし、思わず言葉にも出てしまって。
仮にも年上の人なのに。
そんな僕の言葉に、彼は嫌な表情をする事なく
『ありがとう』と柔らかく返してくれた。
一杯目のワインに僕の誕生年の物、
二杯目のワインに彼女の誕生年の物を出してくれて、そのどちらも程よい酸味があったり、深みに違いはあったけれど美味しいワインなのには間違いない。
その仕草が可愛らしくて、一旦彼女からの視線を反らしてから軽く手を振り返して照れ隠しをしたつもりだけれど、きっと、全然隠しきれていなかっただろう。
二人で店の中に入ると、モデル級のバーテンダーがカウンター越しに『いらっしゃいませ』と迎え入れてくれた。
彼女がこの店を選んだのは、このバーテンダーと同級生で気兼ねする事がないから、且つ彼女と僕が好きなワインの種類が豊富だかららしい。
バーテンダーの彼は、薫さんと言うらしい。
その端正な顔立ちに似合っている名前だなと思ったし、思わず言葉にも出てしまって。
仮にも年上の人なのに。
そんな僕の言葉に、彼は嫌な表情をする事なく
『ありがとう』と柔らかく返してくれた。
一杯目のワインに僕の誕生年の物、
二杯目のワインに彼女の誕生年の物を出してくれて、そのどちらも程よい酸味があったり、深みに違いはあったけれど美味しいワインなのには間違いない。