喉元の熱~℃~
いや、そういう事じゃなくて鍵とかどうしたら…と口にしようとしたけれど、間髪入れずに
『送り狼になる位の方が、姉ちゃんもキミも丁度いいかもしれないし、なっても良いと思うよ~』とか弟さんが言い出すから、

「無事に送り届けます。」

と言葉を返して、抱き上げた彼女に僕のジャケットをかけて店を後にした。

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タクシーで数分の場所ににある彼女のマンションに着き彼女をベッドに寝かせると、僕は自分のジャケットから小さなケースを取り出した。

それを開くと、中に入っていたキラキラと光るブレスレットを取り出し、彼女の腕にそっと付けて…

「志織さんは、多分今夜の事を覚えていないだろうから、明日の朝、もう一度僕の気持ちを伝えます…」

でも今夜は…

目が覚めた時、僕と志織さんが喉から胸までの熱を感じられる様に、手を握りながら眠らせて下さい。


fin.
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