日記2
向こうから歩いてくる人のことを避けるために、私は必要のない小道で右に曲がった。
向こうから歩いてくる人のことを私は良く知っていた。

不意に後ろから声が掛かった。
ーーさん、ーさん。
私は、出来る限りの愛想笑いで振り向いて、
ーお久しぶりです、気付きませんで失礼致しました。
と、応えた。
ー先ほどお姉さんのことでお宅に伺っておりました。この度は、何と言っていいか。
ー姉も先生が来てくれてきっと喜んでおります。
ーお気を確かに。何か僕に出来ることがあれば、いつでも、きっと力になります。それではまた。

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