偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
偽物から本物へ
私は、蓮さんと繋いでいる手を見つめながら、蓮さんが私の為に動いてくれたことに幸せを感じていた。
しかし、一通り話が終わり、私は、迫り来る蓮さんとの別れに、悲しさが溢れてきていた。
ストーカーの件も解決し、一件落着。もう蓮さんに婚約者を演じてもらう理由はなくなった。これでお別れ。最後にちゃんと今までのお礼を言わないと・・・。このまま、友達として蓮さんとの関係は続けたいが、お願いしたところで、彼からしてみれば、どう考えても私と友達になるメリットはない。優しい蓮さんの事だから、口ではOKがもらえても、きっぱり縁を切られ、他人に戻るのは分かっている。
美しい日本庭園の中をゆっくり歩きながら、私は覚悟を決め、蓮さんが偽婚約者の終わりを切り出すのを待った。
橋を渡り始め、ちょうど橋の真ん中辺りまで来ると、蓮さんは立ち止まって、私の方に振り返った。
来た!
「風乃、僕の本当の婚約者になってくれませんか?」
「えっ?」
蓮さんは真剣な眼差しで続ける。
「初めて会った時から、あなたの事が好きです。
偽婚約者などと言ってあなたに近づいた事は謝ります。男らしくないですよね。」
と言って蓮さんは、はにかみながら頭を掻いた。
えっ?嘘?蓮さんが私を??
蓮さんの口から信じられないような言葉が!
驚きと嬉しさで動揺した私は、少し間を置いてから、素直に自分の気持ちを伝えた。
「いえ、蓮さんに守ってもらえたのは嬉しかったです。私も、蓮さんが好きです。蓮さんの本当の婚約者にしてください。」
私の言葉を聞くと、蓮さんは私を強く抱きしめ、私の耳元で
「今から本当の恋人同士です。キスしたい。もう、あなたの許可は取りません。」
と囁いた。
そして、蓮さんの上半身が少し離れたかと思うと、即座に私の唇を優しく奪った。
蓮さんの熱い唇が何度も私の唇に重なる。
これが私にとって、人生初のファーストキス。大好きな蓮さんと、私は今キスをしている。
キスが終わりそうな気配がしたが、また優しく軽く触れ、おでことおでこをつけたまま唇が少し離れたかと思うと
「初めてなのにすまない、抑えきれない」
「えっ?!」
再び唇が重なる。私はファーストキスの余韻に浸る余裕も持たせてもらえなかった。
先程のキスとは違い、蓮さんの言葉に驚いて少し開いた唇の隙間を彼は逃さなかった。
彼の柔らかい熱が口内に入ってきて息も出来ないほど、長い時間掻き回された。
恋人同士のキスとはこんなに激しく気持ちのいいものなのかと初めて経験した。
しかし、一通り話が終わり、私は、迫り来る蓮さんとの別れに、悲しさが溢れてきていた。
ストーカーの件も解決し、一件落着。もう蓮さんに婚約者を演じてもらう理由はなくなった。これでお別れ。最後にちゃんと今までのお礼を言わないと・・・。このまま、友達として蓮さんとの関係は続けたいが、お願いしたところで、彼からしてみれば、どう考えても私と友達になるメリットはない。優しい蓮さんの事だから、口ではOKがもらえても、きっぱり縁を切られ、他人に戻るのは分かっている。
美しい日本庭園の中をゆっくり歩きながら、私は覚悟を決め、蓮さんが偽婚約者の終わりを切り出すのを待った。
橋を渡り始め、ちょうど橋の真ん中辺りまで来ると、蓮さんは立ち止まって、私の方に振り返った。
来た!
「風乃、僕の本当の婚約者になってくれませんか?」
「えっ?」
蓮さんは真剣な眼差しで続ける。
「初めて会った時から、あなたの事が好きです。
偽婚約者などと言ってあなたに近づいた事は謝ります。男らしくないですよね。」
と言って蓮さんは、はにかみながら頭を掻いた。
えっ?嘘?蓮さんが私を??
蓮さんの口から信じられないような言葉が!
驚きと嬉しさで動揺した私は、少し間を置いてから、素直に自分の気持ちを伝えた。
「いえ、蓮さんに守ってもらえたのは嬉しかったです。私も、蓮さんが好きです。蓮さんの本当の婚約者にしてください。」
私の言葉を聞くと、蓮さんは私を強く抱きしめ、私の耳元で
「今から本当の恋人同士です。キスしたい。もう、あなたの許可は取りません。」
と囁いた。
そして、蓮さんの上半身が少し離れたかと思うと、即座に私の唇を優しく奪った。
蓮さんの熱い唇が何度も私の唇に重なる。
これが私にとって、人生初のファーストキス。大好きな蓮さんと、私は今キスをしている。
キスが終わりそうな気配がしたが、また優しく軽く触れ、おでことおでこをつけたまま唇が少し離れたかと思うと
「初めてなのにすまない、抑えきれない」
「えっ?!」
再び唇が重なる。私はファーストキスの余韻に浸る余裕も持たせてもらえなかった。
先程のキスとは違い、蓮さんの言葉に驚いて少し開いた唇の隙間を彼は逃さなかった。
彼の柔らかい熱が口内に入ってきて息も出来ないほど、長い時間掻き回された。
恋人同士のキスとはこんなに激しく気持ちのいいものなのかと初めて経験した。