偽婚約者の恋心～恋人のフリが本気で溺愛されています～

たっぷりの熱く甘いキスが終わると、のぼせたような感覚になり、私は足元が少しふらついた。

蓮さんは咄嗟に私を逞しい腕で支え、

「ごめん、加減してたつもりだったんだが…。大丈夫？」

と、優しく囁く。

えっ？あれで加減？？とかなり驚いたが、私は真っ赤になりながら、

「だっ、大丈夫です。初めての感覚でびっくりしてしまって。」

と言うと、蓮さんは少し微笑んでから私と手を繋ぎ直し、

「さっ、風乃、荷物を取りに行こう！」

とニッコリと微笑んだ。

「えっ？もうストーカーの件は解決したので、蓮さんの家に避難しなくても大丈夫ですよ？」

と言うと、

「俺が風乃と一緒に居たいんだ。一緒に居た方が結婚の準備も進めやすいしね。」

と言って、優しく私の手を取った。

その言葉に真っ赤になる私。おそらく耳まで赤くなっているだろうということが自分でも分かった。