偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
ヒーロー
振り返ると、財前さんが立っていた。財前さんは私の肩を抱いて、
「風乃、遅れてごめん。で、こちらの方は?」
と言ってきた。
藤原さんはいつの間にか私を掴んでいた手を外し、後ずさりしていた。
「この方は、うちの支店のお客様です。」
と私が、言うと、財前さんは、
「いつも風乃がお世話になっております。私は風乃の婚約者の財前と申します。」
と言って、また名刺を差し出した。
藤原さんは名刺を奪い取ると、
「婚約者とか信じないからな!ちゃんとこっちは調べてるんだ!」
と、言い残して逃げるように立ち去って行った。
私は藤原さんが見えなくなったのを確認すると、すぐに財前さんにお礼を言った。
「2回も助けて頂いてすいません。本当にありがとうございます。」
「いや、こちらこそ、いきなり呼び捨てで呼んで申し訳ない。なんか彼、ヤバそうだったよね。もしよかったら詳しく聞かせてくれる?」
「お気遣いありがとうございます。でも、もう休憩時間も終わりなので戻らないと。先ほどは本当に助かりました。ありがとうございました」
と言って立ち去ろうとすると、
「待って!」
と今度は財前さんに優しく腕を掴まれた。先ほど藤原さんに捕まれた手首を見ながら
「赤くなってるね。詳しく聞きたいから今日ここで待ってるよ。仕事何時まで?」
「風乃、遅れてごめん。で、こちらの方は?」
と言ってきた。
藤原さんはいつの間にか私を掴んでいた手を外し、後ずさりしていた。
「この方は、うちの支店のお客様です。」
と私が、言うと、財前さんは、
「いつも風乃がお世話になっております。私は風乃の婚約者の財前と申します。」
と言って、また名刺を差し出した。
藤原さんは名刺を奪い取ると、
「婚約者とか信じないからな!ちゃんとこっちは調べてるんだ!」
と、言い残して逃げるように立ち去って行った。
私は藤原さんが見えなくなったのを確認すると、すぐに財前さんにお礼を言った。
「2回も助けて頂いてすいません。本当にありがとうございます。」
「いや、こちらこそ、いきなり呼び捨てで呼んで申し訳ない。なんか彼、ヤバそうだったよね。もしよかったら詳しく聞かせてくれる?」
「お気遣いありがとうございます。でも、もう休憩時間も終わりなので戻らないと。先ほどは本当に助かりました。ありがとうございました」
と言って立ち去ろうとすると、
「待って!」
と今度は財前さんに優しく腕を掴まれた。先ほど藤原さんに捕まれた手首を見ながら
「赤くなってるね。詳しく聞きたいから今日ここで待ってるよ。仕事何時まで?」