偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
この人のおかげで、男性からの誘いの断り方も慣れてきたつもりだが、いくら断っても懲りずに毎回誘ってくるのでうんざりしている。
中学生から私立の女子の一貫校でエスカレーターで大学まで行ったので、周りはずっと女子ばかり。もちろん男性と付き合ったこともなく、就職したての頃は男性とどう接していいのか分からなかったが、旅行会社で働き出し、男も女も関係なく、ざっくばらんな環境の中で、私は男性への嫌悪感も警戒心も自然となくなっていった。だが、藤原さんだけは生理的に受け付けない。藤原さんは断っても断っても、毎回しつこく言い寄ってくる。
先日は、退社時刻に支店の前で待ち伏せされたが、幸いすぐに気がつき、裏口から出たので、事無きをえた。
徐々にエスカレートしてくる藤原さんの行動に、担当替えの希望を出したが、
課長は見て見ぬふりだけならまだしも、
「ストーカーなんて考え過ぎだよ。
大会社の副社長だよ?そんなことするわけないよ。とにかく藤原様が、君を指名しているんだ。うちの大事なVIP顧客なので、問題起こさないでね、くれぐれも頼みますよ」
と言う始末。担当替えはしてもらえそうになかった。
そのせいで、昨晩、前の支店の同期の亜紀に愚痴を聞いてもらい、案の定、二日酔いだ。
中学生から私立の女子の一貫校でエスカレーターで大学まで行ったので、周りはずっと女子ばかり。もちろん男性と付き合ったこともなく、就職したての頃は男性とどう接していいのか分からなかったが、旅行会社で働き出し、男も女も関係なく、ざっくばらんな環境の中で、私は男性への嫌悪感も警戒心も自然となくなっていった。だが、藤原さんだけは生理的に受け付けない。藤原さんは断っても断っても、毎回しつこく言い寄ってくる。
先日は、退社時刻に支店の前で待ち伏せされたが、幸いすぐに気がつき、裏口から出たので、事無きをえた。
徐々にエスカレートしてくる藤原さんの行動に、担当替えの希望を出したが、
課長は見て見ぬふりだけならまだしも、
「ストーカーなんて考え過ぎだよ。
大会社の副社長だよ?そんなことするわけないよ。とにかく藤原様が、君を指名しているんだ。うちの大事なVIP顧客なので、問題起こさないでね、くれぐれも頼みますよ」
と言う始末。担当替えはしてもらえそうになかった。
そのせいで、昨晩、前の支店の同期の亜紀に愚痴を聞いてもらい、案の定、二日酔いだ。