偽婚約者の恋心～恋人のフリが本気で溺愛されています～

「それから、最低でも週１回デートをする。」

「えっ？週１回デートですか？？でも、蓮さん、お忙しいのに。私なんかの為にお時間取って大丈夫ですか？」

「大丈夫。時間はなくても作るよ。それより向こうは探偵や興信所を雇って、調べている可能性があるからね。どこで見ているかわからないから、会える時は出来るだけ会って婚約者らしく振る舞っていた方がいい。」

私は、うつむきながら、

「あっ、あの。私、実は恥ずかしながら、今まで男性の方とお付き合いしたことがなくて、婚約者らしく振る舞うってよくわからないので、上手く出来るかどうか…。」

彼は顎に手を添えながら考え込むように、

「別に恥ずかしいことではないよ。難しく考えなくていいよ。俺に任せて。ただ、デートしてても距離感で恋人かどうか分かってしまうから、距離は近くなるけど、君の嫌がることは絶対にしないから安心して。」

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」

「よし、じゃあ決まり。次の休みはいつ？」

「明日です。」

「じゃあ明日のデート楽しみしてるよ。」

そう言って、彼は笑顔で、私は、緊張気味に再び乾杯をした。