偽婚約者の恋心~恋人のフリが本気で溺愛されています~
「ここにある物は自由に使ってくれていいから。とりあえずゆっくりしてて。」

「あっあの!ありがとうございます。」

「婚約者なんだから当然。今日はもうここから出ない方がいい。じゃ、行ってくる。」

「はい。行ってらっしゃい。」

蓮さんは急いで出て行った。
忙しいのに、申し訳ないことをしちゃった。

それにしてもすごい部屋。好奇心がうずき出し、他の部屋も見てみることにした。
隣の部屋は…と、寝室かぁ。寝室もかなり広い。
キングサイズのベッドには、深い紫色でコーディネートされ、綺麗に整えられた寝具でまとめられていた。

キングサイズのベッドなんて生まれて初めて見たかも。

もう一つの部屋は…と。開けて見ると、デスクにパソコン、本棚があり、書斎だとすぐに分かった。

他に部屋は…ん?ない?私、今日はどこで寝るんだろう?あっ、晩御飯も。キッチンに行き
冷蔵庫を開ける。ミネラルウォーターと缶ビールしかない。その時、

ピンポーン

玄関のベルが鳴る。
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